理学療法室
リハビリテーション科は神経筋疾患(筋ジストロフィー、ALS、パーキンソン病)重度心身障害(脳性麻痺)を主な対象疾患として、22名のスタッフが日々業務に邁進しています。また、RST(呼吸サポートチーム)やNST(栄養サポートチーム)、褥創対策チームの一員として、チーム医療の一旦を担っています。
さらに整形外科疾患、脳血管障害を患った地元地域の患者さんを中心にリハビリテーションを提供させていただいています。当院のリハビリテーション科はスタッフ全員、日々の業務の中で研鑽に努めています。その成果を厚生労働省筋ジストロフィー班会議や国立病院総合医学会などにおいて、研究発表しています。
またパーキンソン病リハビリテーションプログラム(TSPD)を早期から導入し、患者様毎に適応したリハビリテーションを提供しています。
リハビリテーション科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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(予約制) | 午前 | 芋田 | 芋田 |
理学療法士が呼吸障害を呈した患者さんもしくはその予防のために、カフアシスト等を導入した呼吸リハビリテーションを行っています。また、RST(呼吸サポートチーム)の一員として、効果的な呼吸療法が実践できるように職員を指導・教育することにも努めています。
呼吸障害とは肺における酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する機能に問題があることで、それにより血液中の酸素と二酸化炭素が基準値から逸脱した状態、いわゆる呼吸不全に陥ることがあります。
呼吸障害の主な原因 | ・上気道が狭くなる ・胸郭や横隔膜の動きが制限される |
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呼吸障害への対応 | ・気道を開く ・胸郭や横隔膜の動きがしっかり出来るようにする ・分泌物が呼吸を邪魔しないようにする |
当院のような長期療養型の施設では、患者さんが車椅子で過ごす時間が日中の多くを占めます。筋力低下や過度な筋緊張からくる不良な座位姿勢による頸部の変形は、嚥下や咳のために重要な喉の機能を低下させます。また、胸郭や脊柱の変形も、胸郭の可動性を低下させ深呼吸を困難にし、徒手や器械による咳の介助の効果を低下させます。単なる移動手段ではなく、「生活の場」として多くの時間を過ごす座位環境が、身体機能に与える影響は少なくありません。
「良い座位姿勢」を探す一つのポイントとしては、無理のない少ない筋力で、重力に逆らって頭頸部を安定させ保持できる姿勢を目安にしています。当院では、ABS(アクティブバランスシィーティング)というコンセプトで車椅子作成にあたることもあります。これは「姿勢を保つための支持」と「動くための支持」を考慮し、見た目の良い姿勢だけでなく、頭部が安定して活動しやすい姿勢、呼吸や嚥下なども評価しながら、作業を進めていくというものです。
当院において作業療法士が行っている訓練・ケアの一部をご紹介します。
どのような事が行われているか,知って頂くきっかけになれば幸いです。
発声や書字ができなくなり、コミュニケーションが困難な方に対して意思伝達装置や透明文字盤を使用して会話やパソコン操作が行えるように支援します。
食事動作の練習や、自助具を使用して上肢や手指が動かしづらい方や握力がない方の支援を行っていきます。
様々な道具を使って上肢機能や認知機能の向上を促します。
創作活動を行い、楽しみながら、手指の巧緻性の向上、精神機能の賦活、気分転換を狙います。
普段患者様をこちらへお連れして様々な作業を行っています
言語聴覚室
神経筋疾患・重症心身障害の患者様に対して以下のような言語療法を行っています。
脳血管疾患・神経筋疾患などのことばの障害(例:高次脳機能障害や運動障害性構音障害等)に対して、カードやプリントを用いて訓練を行っています。
重症心身障害による言語発達遅滞に対して、身体を動かす、玩具を用いるなど発達レベルに沿った訓練を行っています。
神経筋疾患等の中途障害に対する訓練と発達障害に対する訓練を行っています。また、NSTの一員としての活動や、病棟スタッフを対象とした勉強会の開催などをしております。
リハビリテーション科に歯科衛生士が在籍しております。
歯科衛生士とともに、摂食嚥下訓練の一環として誤嚥性肺炎予防と口腔機能維持・向上のための専門的の口腔ケアを行っております。
歯科衛生士はRSTの一員としての活動や病棟スタッフを対象とした勉強会も行っております。
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